+++ 訃報 +++
久し振りにICQを立ち上げると、不在メッセージが入っていた。
「話したいことがある」という言葉に、2年程前ずっと彼の相談に乗っていたことを思い出した。
また何かあったんだろうか、犬も食わない話なんじゃないかと思いつつ、その時は仕事が詰まっていたので、空きそうな時間を書き添えて返信をした。
その日、約束通りオンラインにして彼を待った。二言三言交わした会話で、ふいに殴られたようなショックを受ける。悠長にタイプしてる余裕は無くなり、電話に切り替えた。
「昨日初七日を済ませたんだ」
彼女の難しい病気を承知で結婚した。最近は落ち着いていたのに、ここ2、3日は体調を崩していた。
大したこともなく回復したので、彼女を置いて出た夜勤明けに待っていたのは、彼女自身が残した置手紙と、病院からの留守電メッセージ。
駆けつけたとき、すでに心停止から1時間経っていた。
たった1年4ヶ月の結婚生活を、淡々と語る。
故郷を遠く離れて寂しがっていた事、体調が良くなると、すぐあれこれ動き出すから注意してた事、思い出と、後悔と。
時折震える声で、色々相談に乗ってくれてありがとうと言う。無理だけは絶対にするなと心配をする。
泣く資格はない。ただ、独りで逝かせてしまった彼の悲しみより、病気と闘い続けて、自分と同じ薬を飲む彼女の、あまりに早すぎる最期の想いに同調してしまう。
自分にとってもほんの隣り合わせのような気がして、窓の外が明るくなるまで色々なことを考えていた。
wrote 2003/3/3
rewrite 2003/10/4
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