11/30   Tue.

どうもこの病棟は申し送りが徹底してないようで、会う看護師ごとに同じことを言っても全く実現されていない。
内容が「髪を洗って欲しい」という、治療に直接関係ないせいかなーと思いつつ、「外来で入院してすぐリハビリするって聞いたんですけど」も何回言ったかなぁ。ようやく今日から開始。

以前蜂窩織炎で入院したとき、場所が変わった皮膚科でも多少感じたけど、今のところここが一番酷い。隣のベッドのご婦人は、院内にある美容院の予約について、週が明けて散々待たされた挙句「今日は○○科に出張してて」翌日やっと行ったら「予約は入ってなかったよ」と言われたそうで・・・。

「忙しい」を理由に客を1時間以上待たせても平気な職業って他にあるんだろうか。お金を払って利用している側なんだから怒って然るべきだけど、患者は世話をしてもらう立場だから、強くは言えない。よほど我侭な人でもない限り、ただひたすら待っている。

初めてのシャワー浴のとき、介助がないと上半身の着替えが出来ないので、上がった後下半身だけ自分で着て、上半身裸のまま椅子に座って15分放置された。風邪引いたらどうするのかなーと考えつつ、脱衣場なのできょろきょろするわけにもいかず、うつむいて待っているのはかなり切なかった。

外来での受診時と、その日の病棟で会ったきりの担当医師と話をした。明日手術の詳しい内容を説明してくれることになった。気掛かりで仕方なかった外出の件を念押しする。どこまで回復するかは術後の経過次第だけど、何とか行けるようには協力すると言ってくれた。
11/29   Mon.

起きているときより横になった方が痛みが増す。ベッドの頭を少し起こして、あれこれと試したけど全然眠れない。怪我をする前から睡眠不足気味だったので、眠気の臨界点で意識が遠のいては覚醒することを繰り返し、結局ナースセンターへ行ってマイスリーを貰って飲んだ。
朝起きたら、夜中に起きた地震の話題でもちきりだったけど、全く気付かなかったんだから眠ったんだろう。

転んだ日整骨院を選んだのは、以前通っていたとき整骨院の先生が「整形で下手な治され方をされて後遺症が残った」と言っていたのを覚えていたからだ。
整形の医師は、整骨院での診断をかなり怪しんでいて、「レントゲンも撮らずに脱臼とわかるわけがない」、初日の関節を戻した経緯を聞いて「そりゃ何もしてないな」と言う。病院への連絡は整骨院でしてくれたと説明すると「ああ、それはまだマシだな」とも言っていた。
まるで整体師を胡散臭い呪い師かのような言い方だった。両者は対立関係にでもあるのだろうか。

心電図と肺活量検査、CTを撮った。肺活量は予測3000ccだったのが測定4000cc。褒められてしまったけど、全盛期よりは確実に落ちたはず。運動部でもなく、むしろ誰しも認める運動音痴だったのに、当時は一体どのくらいだったんだろう。
11/28   Sun.

殆ど眠れなかいままばんやりした頭を抱えつつ、整骨院へ向かう。やはりただの脱臼ではなさそうだということで、先生が地元総合病院へ連絡、休日外来で診察を受けた。

レントゲン写真を見た整形の若い医者が「あーやっちゃったね、見事に折れてるよ」と言う。
「もっと早く診せて欲しかったな、こういうときは病院に来なきゃダメだよ」
腕をがっちり固定されて痛みは楽になった。前夜の経緯を説明しつつ、来月の外出について相談する。それなら尚更手術をした方が回復が早いと勧められ、今日中に入院となった。

入院手続きを済ませてから一旦家に戻り、またしても各所へ連絡。実は折れてましたと何回言っただろう。自宅作業も出来なくなったので、明日提出の集計業務を振り戻し、参加プロジェクトのチーフへ連絡するものの、休日でつかまらない。お世話になっている人事担当の方にお願いして、一括連絡してもらうことにした。
昨日から状況説明と謝罪の言葉しか話していないような気がする。

病棟に戻って、治療計画を説明される。やはり先月の手術と同様、血液関係の薬を止めないと切ることが出来ない。先にリハビリしながら手術日を決めることになった。入院期間は約10日間。

整形外科は初めてで、入院病棟も初めての場所だった。これで全病棟制覇。
11/28   Sun.   9:04:30

昨日はやっとチラチラ雪が降っていた。ほんの少しだったので、すぐ融けて消えてしまった。

友達の家に遊びに行っていて、帰ろうとしたのは18時頃。外はすっかり真っ暗で、駐車場の車を避けて歩いてたら、ふいに身体が宙に浮いた。 状況を把握する間もなく、路面に叩きつけられた。
昼間融けた雪が路面に凍り付いていて、横に滑って足を取られたんだ・・・と考えつつも、激痛で動けない。友達に助けられてようやく立ち上がり、今出てきた友達の家へ戻った。
右腕を動かすことが出来ず、ほんの少しでも捻ると激痛が走る。混乱する頭で、以前通っていた整骨院が近いことを思い出し、先生の携帯に電話した。これが判断ミスだった。先生の帰宅を待って、約1時間後に診てもらう。右肘が脱臼していると言われ、ゆっくり腕を引っ張られて関節を戻し(らしい)腕を固定して帰宅した。

右肘脱臼。全治最短で2週間。

つい数時間前まで、近い未来の幸せな白昼夢を見ていたのは、確かに自分だった。
ただ事ではないと思い始めてからずっと、考えてたのは来月のことばかり。友達に送ってもらう間電話をして、事情を説明した。「必ず行くから」そう言って電話を切ったら、急に気が抜けて涙がボロボロこぼれてくる。
情けなくて悔しくて、申し訳なくて悲しくて、謝るしかなかった。

その晩、来週の出勤を休ませて欲しい旨のメールを始め、各所への連絡をするべくPCに向かうも、左手だけでは思うようにタイプ出来ない。22時を回る頃には腕の痛みが強くなってきて、かなりの疲労感もあって横になった。
無論眠れるはずもなく、だんだん強まってくる痛みと、吐き気、焦燥感で横になっていることもつらく、寝て起きてを繰り返す。ロキソニンとマイスリーを飲んで、やっとウトウトした。